世界で初めてワクチンを創った男。パスツールの「心にクエリを立てる」生き方

レイチェル・カーソンが唱えた、この世界の素晴らしさに目を見開く感性「センスオブワンダー」とともに、私が大好きな言葉がある。それは、世界で初めてワクチンを開発し、パスツール研究所を設立したルイ・パスツール博士の「Chances favor for Prepared Mind」という言葉。ひらめきは、それを待ち続ける人間のココロにしかやってこない、という意味だ。この2つの言葉は、朝ごはんを毎日食べるように、毎日思い起こし大切にしている言葉だ。

アタマの中に酒蔵を持つ仕事

広告の企画を考えるという仕事は、ロジックを積み上げていけば解が見つかるものではなく、意図してクリエイティブジャンプを生み出す必要がある。案件が発生したら、その都度ココロにクエリを立てて、目に映るすべてのものをメッセージ(byユーミン)にしながら毎日を過ごしていく。少しずつ柱のようなものがキーワードベースで立っていくこともあれば、夜中突然一気にダウンロードが始まることもある。

お酒を造る杜氏の仕事に近い気もする。案件ごとに樽を準備し、材料(=情報)を仕込んで寝かせる(=文字通り寝る)。たまにかき混ぜて(=少し考えてみる)、また寝かせる。その24時間のプロセス管理が仕事である。企画書や原稿に落とすのは最後の最後だ。それまではひたすらダウンロードに集中する。柱ができたら、9割がた仕事は終わったようなものだ。後はその行間を埋めていけば、企画は完成する。

ココロにクエリを立てて、毎日を生きる。

「アイデアを絞り出す」のではなく、一日24時間×数日の時間を使って醸造していく。これは広告の仕事をしている人に限らず、人生の大切なことやこれからの大きな目標などを考える時に誰にでも使える方法だ。何より身に降りかかる全ての出来事や他人との会話、また毎日訪れる睡眠時間が全てアウトプットに結び付くので、無駄な時間がなくなり、人生の肯定感が飛躍的に高まる。ニューノーマル時代の「創造性発揮」に向けて、今のうちに「センスオブワンダー」と「Prepared Mind」をココロにインストールしてはいかがだろうか。

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