認知のフタをこじ開けろ。「パーツの切り出し」で以下同文モードを解除する捉えなおしメソッド

人間はある物事について一旦認知を完了すると「以下同文モード」が働き新規メッセージの受付を停止する。その後の広告の認知効率は急に落ちるため、捉えなおしによって再び認知のフタをこじ開ける必要がある。その際に有効なアプローチのひとつが「パーツの切り出し」。その一点を起点に再解釈が起こる

アイドルグループもメンバー各々がソロ活動で獲得したファンや経験を再びグループに持ち帰ることでブーストしていく。ブランドも同様に、プロダクトのパーツ単体の存在感が引き立つことで結果的にプロダクト全体の特徴がクリアになり、また期待値最適化によりその味わい方や楽しみ方の知覚品質も上がる。

「パーツの切り出し」で以下同文モードを解除する

事例①:具なしの中華まん「すまん」

あえて一部を切り取って売り出すことでパーツの特性が際立ち、結果として全体の物性シズルが上がる。井村屋は具なしの中華まん「すまん」を発売。SNSのユーザー投稿から始まり、30-40代のアレンジして愉しみたい女性向けに商品を設計。具を入れないからこそ同社の二段発酵製法による素材の良さが際立つ。

井村屋の「すまん」は謝ってるような言葉の響きもユニーク。中華まんの外側だけを切り出すことで、今のトレンドである本来のモチモチ食感が際立つ。また生活者が様々なアレンジアイデアを思い巡らすことで、中華まんジャンル全体が想起群に格上がりして、結果「今日は肉まんにしよう」という行動が増える。

事例②:たれ”だけ”たっぷり  たまご醤油たれ

ミツカンは顧客の要望を受けて「金のつぶ たれたっぷり!たまご醤油たれ」のたれだけのボトルが当たるキャンペーンを実施。顧客の声に応えたこともあり、23年のXキャンペーンでは1万件を超える応募があった。様々な料理に使ってみたいという要望にも応えるため中味も醤油感などバランス調整を加えた。

「たれ“だけ”たっぷり!たまご醤油たれ」は納豆の「たれ」をパーツとして切り出すことで商品特性を際立たせ、これまで見過ごしていた人にも改めて「納豆食べながら卵かけご飯感覚も味わえるのってなんかお得だよね」という気づきを与える。たれ自体が明確な差別化要素なので、その後も買い続けられる。

事例③:ペヤングの「ソース」だけを切り出して売る

23年、ペヤングは「ソース」だけを切り出して野菜炒めセットと一緒に「ペヤングやきそば風もやし炒め」を15万パック限定で売り出した。サラダコスモ社が主体でカット野菜ユーザーにおいしさとヘルシーさが両立する利便性を提供。カップ焼きそばを食べるシーン以外でもペヤング気分を味わえるお得感。

「ペヤングやきそば風もやし炒め」は、味の決め手であるソースだけを切り出すことでペヤングの味わい自体の捉えなおしを図る。同時に野菜炒めも新たな調理法をやってみることで他のアイデアに火がつき、「今夜は野菜炒め」の頻度が上がる。両者が直接の販売収益以外の無形価値を得られる、これぞコラボ。

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