「時間を味方にする」は人生のゴールデン・キー。全ての人に平等に与えられた一日24時間を無為に過ごさず、有意義に使いきることはもちろん、その24時間を48時間、さらには72時間の価値に変えていく。それが365日積み重なった時、同じニンゲンが過ごした同じ一年でも雲泥の差が生まれる。
時間を味方にする最初の一歩は「投資」
その感覚をつかむのに最適なのが「お金にお金を稼がせる=投資」だ。自分の余剰資産を、成長分野の燃料として投下する。成長分野には多くの場合その時代の最も優秀な人たちが集まり、そしてモーレツに働いている。その会社に就職して一緒に働くのは無理かもしれないが、お金という抽象的な手段によってその人たちを援護射撃することはできる。自分のかわりにその人たちに何カ月も働いてもらい、成長したら一緒に利益を分かち合うのだ。
自分自身の労働リソースは一日8-12時間で、その対価はバイトなら1万円、社員なら2-3万円といったところだろう。だが同時に自分以外の人の8-12時間の労働に対してもお金を介して間接的に関わることで、1日を少し分厚くすることができる。それを毎日積み重ねていけば、「関与」の幅が大きい分リターンとしての資産も分厚くなっていく。
「投資」というのはこれがお金という形で明確に見える化されるため、時間を味方にするということの格好のトレーニングとなる。しかし、この原則が通用するのは何も資産運用だけではない。読書や習い事、顧客からの信頼、コンテンツマーケやSNSのエンゲージメントなど、人生におけるありとあらゆる物事は積み立てられるようになっている。
大切なのは「毎日同じ場所に」積み上げること
投資もデイトレーダーのように毎日頻繁に売り買いしていては手間ばかりかかってなかなか積み上がらないが、自己投資においてもそれは同じだ。思いつきであっちこっちに石を置いても、城壁は組みあがっていかない。まず全体設計を立て、一度積み上げる場所を決めたら、腰を据えて毎日同じ場所に積み上げていくことが大切だ。
一日のこの時間は必ずこのジャンルの本を読む、と決めると前日より今日の方がベースとなる知識が増えているので、より理解力があがりさらに得られる知識量が増えていく。これが投資で言われる「複利」の原則で、人類最大の発明とも言われている。
毎日を積み立てて生きるようになると、一日一日の意味が「若さを失うこと」から「価値を増やしていくこと」に変わる。ニンゲンは「昨日より今日、今日より明日が良くなる」という実感を得られている時に幸せを感じるようにできているため、毎日を積み立てて生きるようにした瞬間、ココロはブータンにひとっ飛びだ。