「モチベーション」を忘れよう。毎日の「打率」を上げる、普通を積み重ねる心構え

言葉というのは時に幻想を日常化させる。たとえば「モチベーション」という言葉が一般化すると、うまくいかない理由を「モチベーション不足」に帰属させて安心したくなるが、そんなものは幻想。

行動が引き出されないのは内的要因ではなく、目標の欠落。やるべきことに必然性を見出せればやるし、そうでなければそもそもやらなくていい。シンプルにそれだけ。だから何を置いても成し遂げたい大きな「目標」を見つけることが第一である。

虚妄に人生をミスリードさせてはならない

モチベーション」という存在の不確かな口実の他にも「ワークライフバランス」というムリゲーもある。そもそも1日10時間(+通勤時間)も仕事に費やしていたらバランスもクソもない。それを「バランスをとらないと・・」とがんばろうとするから余計にバランスを崩すのである。そもそも圧倒的にバランスの悪い「ワーク」と「ライフ」を分けて扱うからうまくいかないのだ。まとめて一本として扱うしかない。

好きなことを仕事にすると、「モチベーション」と「ワークライフバランス」という二つの虚妄をバッサリ捨象できるからシンプルでいい。禅の境地も結局は「考えなくていいことは、考えなくていい」ということだ。この二つの言葉を忘れたところで現実的に困ることは何もない。

「モチベーション」という虚妄のさらにタチ悪いのところは、日常の気持ちの置き方について大きなミスリードをもたらす点だ。それは「モチベーションが高い」状態じゃないといけないと人々に思い込ませること。ホントは「フツーにこなす」でいいのに、何でもかんでも「やる気満々」でやるべきだと思うから、自分を責めてネガティブループに陥ってしまう。

「モチベーションをなくす」とか言ってるから意欲が下がるのであって、「モチベーションを忘れる」が正解。虚妄はさっさと振り払い、淡々と「普通」を積み重ねる。その「普通」の基準を上げていくことで日々の歩幅が大きくなる。普通を積み重ねるのに一番有効なのが毎日に「ルーティン」を持ち込むことだ。

ルーティンを決めることの一番の利点は「次に何をしよう」といちいち考えるコストがバッサリとカットできることだ。決めたルーティンを朝から淡々とこなしていく。事前に毎日積み上げれば目的地にたどり着く(だろう)設計をしておいて、あとは何も考えずに粛々と積み上げていく。毎日場当たり的に違うことをやっていれば、ガムシャラに日々の体力を消耗するだけで自分の中に積みあがっていくものは少ない。

打率といえばイチローさんだが、曰く、『絶好調の時を基準にするのではなく、いかに「普通」を保つかが鍵』まさに金言である。

処方箋は、感動される仕事を見つけること。

いい仕事をして感謝されるというのもいいが、書く仕事やデザイン、写真は「感動」される可能性のある仕事で、ここが醍醐味。同じフィーを払っても「その人」によって仕上がりは全然違う。一度味わったらその味を毎回求めるようになるから「モチベーション管理」なんて幻想に囚われる必要もなくなる。

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