その言葉は、誰かの居場所になる。哀しきイクメン・イケダン達に男の隠れ家を

これまで何の疑問も持たずに行っていた毎日の通勤の往復は、今となっては全く自明ではない。今後企業は社員に通勤を促す場合、その都度「行き帰りの2時間」に対する明確な理由を求められる。実はそれは「業務時間外のプライベート時間の使い方への命令」であるため、ハードルは高い。

その事態に困惑しているのは、何も経営陣ばかりではない。当の社員も、家の外にある「居場所」として、会社を拠り所としていた人も多い。ただでさえ肩身の狭い彼ら(念のため彼女らも)にはもう、逃げ道はないのだ。

言葉は、居場所をつくる。

女性ファッション誌は言葉によって女性のクラスター毎に居場所を作り、美容・アパレル産業と結びつけてきた。アンチエイジングの流れを受けて、07年InRedが「30代女子」という言葉を生んでから12年美ST「美魔女」、さらには「40代女子」と、年金と同じくお洒落も引退できない時代なのだ。

逆に男性誌の言葉に覇気がないのは、そもそもこれまでは男性は所属企業という居場所によって常に肯定されていたからではなかろうか。これからは男性も猪突猛進の人生ではなくなるので、彼らの気持ちを代弁して居場所を作ってあげるメディアが生まれてきてもいいだろう。

シェルターとしての、言葉を作るメディアは作れないだろうか。

現代の男たちには、言葉の武器が足りなすぎる。本来、企業戦士一本で生きられたのだから、家では丸腰である。そんなところに「イクメン」だの「イケダン」だの、女性誌サイドからの一方的な言葉の檻に押し込められて息を潜めるしかない生活。そりゃあ特に用もないのに、感染の危険を冒しても会社に逃げたくなる。

「アトリエライフ通信」は、そんな男性たちのシェルターになりたい。仕事時間もおうち時間も、どっちも上手に楽しむための発想のコツを、女性メディアで流通している情報を男性にもわかるように「翻訳」することで、しっくり手に馴染む言葉の刀を手渡したい。

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