キャリアデザインが当たり前の社会になると条件面以外に「この会社で働いたらどんな自分になれるのか」という成長イメージの提示が必要になる。これはちょうどモノ消費からコト消費文脈への広告コピーの語り直しに似ている。労働資本の対価として、機能ベネフィットだけでなく「情緒&自己実現ベネフィット」を鮮やかに言語化して提示することが必要で、誰もやっていないが実はコピーライターの新たな舞台でもある。
必要な人材要件をピンポイントで獲得する中途採用の領域は、既に立派な「マーケティング」。他社にはない働きがいの言語化はパーパスやMVVと同じく価値編集的な仕事でもあり、また最終的なアウトプットは求人票や社員インタビューなど文字ボリュームも多いため【コピー発想×編集目線の二刀流ライティング】のスキルがあれば最強である。
今回は直近私の手がけた採用コピーの具体例を紐解きながら、自社ならではの働きがいの言語化術について解説していきたい。(解説をすることでメッセージ内容の理解が深まるので、あわよくばエントリーにつながればいいな・・という裏の目的も)
自社ならではの「働きがい」を言語化する採用コピーの書き方
キャッチ&ボディコピー
今回の事例であり絶賛求人募集中でもあるのがコーチングカンパニーの株式会社ミズカラ。まずはボディコピーの上下に注目してほしい。「答えは、自らの中にある。」➡「答えは、ミズカラの中にある。」と、キャッチコピーとタグラインが鏡面構造になっている。キャッチ~ボディ前半は読者自身が抱えるフラストレーションの喚起からスタートし、ボディコピーというトンネルを抜けた先の読者の到達点=その答えがミズカラという企業で働くこと、いう構造になっている。

採用ページに入ってきた人=同社に一定の興味関心が既にある人向けに書いているので、通りすがりの1/1000の情報に入るキャッチの作り方とは違っている。「自らが源」というミズカラの社名の由来と読者の意志を紐づけるための布石としてのメッセージとして冒頭のキャッチが語りかける。
ボディの前段ではターゲットのフラストレーションを指摘した上で、その違和感があるってことは自分の中にあるべきリーダー像があって、それとズレているからでは?ということは、「答え」はすでにあなたは持っているのでは?という気づきを与えるパート。その上で、「そのまま待つか、あるいは前進するか」という2択をつきつけ、ミズカラというチャレンジしがいのある舞台へのいざないが後半パートで繰り広げられます。
社員インタビュー記事
採用ページといえば社員インタビューコンテンツは欠かせない。インタビュー記事は話者の内容が主役なので、編集でやることはそれぞれの文脈にまつわる強いモチーフ(クソゲー/立志伝/3倍速キャリア)を取り付けて印象強化を図ることです。
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