半分以下の時間で、倍以上の成果。プロフェッショナルの条件と生き方

プロフェッショナルの定義とは何か?それこそ、NHKの番組で500通り以上の解が提示されてきているが、私なりの解を示したい。それは「他人の半分以下の時間で、倍以上の成果を生むスキル」である。どれだけコンディションが悪くても、時間が無くても、秒で即答しても素人以上のアウトプットができること。それがプロフェッショナルだ。

「不得意な能力」を持ち寄る場所になっている会社組織

現在の会社というシステムは、基本的に全ての正社員を「総合職」的に育成することになっている。数年ごとにジョブルーティンをさせて、複数分野の仕事をバランスよく身に着けたら、次は現場を離れてマネジメント層へのステップへと進める。ある分野に特化した専門家は評価されず、総合職的にバランスのいい人が評価される仕組みだ。

ある意味歪んだこのシステムが選ばれている理由のひとつに、人事評価の平等性担保がある。ひとつの会社において、専門領域に入ってしまうと評価が難しくなって不平等が生じてしまう。だから、平等性を担保するために「出世コース」は分かりやすくしておかざるを得ないのだ。そしてそれに乗らないのは個人の意志ということにしておけばよい。

ここに大きな矛盾がある。本来、社員のパフォーマンスを引き出すための人事評価であるはずが、人事評価の平等性担保のために社員のパフォーマンスの幅を狭めるという選択がとられているのだ。本来会社(カンパニー)とは、様々な人材の個性を結集して、ミッションを達成するためのものだったはずだ。それが、全員がそれほど得意でもなく好きでもない領域の能力を持ち寄ってなんとなく組織を維持する、そのための寄り合いになってしまっている。不得意なことをやらされているから、基本的に皆機嫌が悪いし、学習意欲も低い(日本の社会人の勉強時間は世界最低レベルの6分)。

天賦の才を発揮して、天馬空を行く人生を。

自らのプロフェッショナリズムを発揮すれば、他人の半分以下の時間で倍以上のアウトプットが生み出せる。ということは、単純計算すれば4倍以上の効率で働くことになる。現在8時間労働の場合は、2時間以下の労働で済む。その余った6時間を、さらに自らのプロフェッショナリズムを磨くためのインプットに投資すれば、無限のポジティブフィードバックのループを生むことができる。

冷静に振り返ってみてほしい。忙しい毎日の業務のうち、本当に集中して成果を生んでいる時間は2時間もないのではないか。他の時間はトンチンカンな質問への対応やググレカス的な説明資料づくり、長い会議の無駄話などに消えている。特徴は「今日一日、目が回るほど忙しかったが、何が大変だったのかはイマイチ思い出せない」ことだ。

好きなこと、得意なことをやっている間は人間は基本的に幸せなので、仕事をすること自体が人生で一番楽しいことになっていくだろう。ITが普及しても生産性が上がらないとか、鬱が大量発生しているとか、1日6分しか学習しないとか、世の中のおかしなことには必ず構造的な欠陥がある。会社組織を変えるのは難しいので、まずは自分を縛っている構造から抜け出すことが第一歩だ。そのためにはまず自分のプロフェッショナリズムを規定し、それを数年間かけて涵養する努力を毎日続け、それをベースにアトリエライフを開始すればよい。

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