料理の度に、愛情ひとしお。「家族想い」の想いに応えた淡路島の新名物(案)

次世代型の物産館である「サブスクエア淡路島」は、買い付けというレジャー体験だけではない。そこで買えるお土産も地域ならではの趣向が凝らされている。前回は”翌日の自分へのお土産“としてのサンドイッチを考えてみたが、今回は日持ちのするものを考えてみる。

さて、飽食の現代、三食バランスよく食べていれば必要な栄養素は充分摂れるといわれている。しかし、実は日本人の食生活においては「亜鉛」と「カルシウム」はとりづらく、慢性的に不足しがちである。中でも亜鉛は細胞分裂に欠かせないミネラルで、成長期の子どもの軟骨の成長を促進したり、大人になったら毛根の活力維持や味覚の維持に役立ったりと大変重要な役割を果たす。そこで、毎日の食事に必ず使う「基礎調味料」に亜鉛をプラスすることで、慢性的な欠乏を改善するアイテムを考えた。

淡路島のコンテクストを活用する

さて、古来より淡路島に暮らしていた海の民は、塩づくりも行っていた。万葉集にも松帆の浦(現在の岩屋エリア)で夕凪に藻塩を焼く海人の女性を思慕する恋の唄が詠われており、小倉百人一首の撰者である藤原定家は「来ぬ人を 松帆の浦の夕凪に 焼くや藻塩の 身も焦がれつつ」と詠み、百人一首にも加えている。

また、古事記の冒頭を飾るおのころ伝説はイザナギとイザナミが天の沼鉾を突き立てて日本の八島を作った伝説で始まるが、これも釜茹でして塩を取り出す際の作業に着想を得たエピソードともいわれている。このように、古来からの島の豊かなコンテクストの中心ともいえる「塩」にフォーカスした新たな名産品を構想してみたい。

淡路島新名物。瀬戸内の藻塩「愛情ひとしお」

古来より淡路島の藻塩は「誰かを思慕する」という文脈とともに語られてきた。調味料である「塩」なのでメイン購買層は主婦層と想定すると、家族を想うという気持ちにフィットした商品であるべきだ。そこで考えたのが、毎日のバランスのとれた手料理で唯一不足しがちな「亜鉛」を補った瀬戸内の藻塩、商品名は「愛情ひとしお」だ。

塩1g中に7mgの亜鉛を添加(0.7%)することで、恐らく不足分を料理から毎日無理なく摂ることができるようになる。いつもの塩を「愛情ひとしお」に変えるだけで、育ち盛りの子ども達はよりのびのびと成長し、旦那さんはいつまでもフサフサでカッコいい。藻塩なので味わいも豊かで、亜鉛以外のミネラルバランスも良い。あらゆる意味で「おいしい」商品の出来上がりである。

淡路島新名物「愛情ひとしお」pexels-tara-winstead-6690893
公式Twitterをフォローして、最新情報をチェック!