事業部目線で考える、AI時代のライティング事情。解決の糸口となる「外付け編集長」の活用

いわゆる「Webライティング」的な作業が概ねAIで代替できるようになってきた。人間が担うべき役割は「意志」という判断軸を行使するディレクションや編集、コピーライティングに集約される。確かにAIはたいしたものだが、ブランドの意志や受け手である人間の感性に照らし合わせると山のような修正・調整は欠かせない。

とにかく文字数を積まなきゃいけないWebライティングで「なんとなく書き散らかす」ことを続けてしまうと、AIの書いたものを改善できなくなる。思考停止で文字を綴る癖もついてしまう。一文字ずつ緻密な設計を積み重ねてコンテンツを紡ぎ、閲読分析のデータを感覚にフィードバックし続けないとディレクションはできない。

これからのAI時代にライティングスキルを活かして活躍しようと思えば、「本質的なディレクション、編集、コピースキル」を磨くしかない。そして実はこれは、これまで本来磨くべきだった能力と変わっていない。アタマを良くして、意志の感度を上げ、抽象化とパッションを両立させるクリエイティブジャンプを身に着けるにつきる。

だがこれらのスキルは自社内で育成するのは難しい。本当にそれがやりたい人は広告代理店やメディアに就職するからだ。またメディアに入るとコピーライティングの視点が身につかないし、逆も然り。また修行しても能力が発露するまでに10年かかる。だから「外付け編集長」を活用するのが事業部にとって最適解である。

AI時代の事業部に必要な「外付け編集長」

垂直発想の「哲学的クリエイティブ」であるコピーライティング発想と、水平発想の「目利きのクリエイティブ」である編集視点。この2つを併せ持った二刀流ライターとAIがあれば、事業会社の大体のことは任せられる。経営理念もブランティングもマーケもPRも1つのアタマに統合されるので、ブレがない。

上流から順に、外付け編集長に任せられる業務を紹介していく。

①経営理念策定(MVV)・企業スローガン

これからの企業は、社員のアスピレーション(意志)を源泉とするインスピレーション(閃き)の創発の場となる。複数のcsvをマージするExcel仕事から晴れて解放された私たち。本来は喜ばしいはずだが「個性」を問われて押し黙ってしまった20年間の例があるように「意志」や「閃き」もなかなか手強そうだ。

創造性の基盤は多様性だが、多様な個性を持った集団の意志を束ねて1つの目的に向けて動員していくには、価値観の軸が必要だ。それを担うのが経営理念(MVV)であり、広告、PR、採用広報などすべてのコミュニケーションもそこを拠り所として一気通貫のメッセージとして紡がれていくべき。

コピーライティングの仕事の中でも最難関、究極的に抽象化したコンセプトの中に熱量を閉じ込める技術が必要な経営理念(MVV・スローガン)策定ができる言語化能力があれば、それ以下の領域は全て高いレベルでこなせるし、全てのアウトプットが理念が貫かれたものになる。

②広報PR・採用広報

採用広報の領域は経営理念やブランディングと地続きの領域だ。採用戦略を考える際、まずは自社ならではの働きがいの言語化が欠かせないが、それは採用側だけでは難しい。まずは企業の経営理念が練られていなければならない。

また広報/PRの領域にも編集力はもちろん、実はコピーライティングの力が重要になる。メディアでニュース化されるために、大量のプレスリリースから選ばれ、そして自社のメッセージを載せた形で報道されるように逆算してメッセージ設計する。それにはコピースキルが必須となる。

③マーケコンテンツ制作

マーケが制作するコンテンツは、PRやオウンドメディアの情報発信とは比較にならないリーチを持つので「企業の顔」でもある。広告表現はもちろんLPライティング、LINEシナリオ作成、事例コンテンツに至るまで、経営理念やブランド視点を持って一気通貫した語り口で統一することはブランド戦略上も極めて重要。

またSNS(特にX)の運用も当然任せられる。Xで自社領域についての捉えなおし投稿を積み重ねさせ、それを再編集してブランドコンテンツや理念コピーにフィードバックさせていくという流れもおススメ。SNSのユーザー検証に耐えた「強い言葉」を時間をかけて紡いでいく作業、ともいえる。

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